材質

C7701洋白 ― シールドケース・ばね接点の定番材

C7701洋白はJIS H 3130のばね用銅合金(Cu-Ni-Zn)で、UNS C77000、CuNi18Zn27、GB BZn18-26に相当します。めっきなしではんだ付けでき、変色しにくく、ばね性もあります。板厚0.15 mmのC7701 1/2Hコイル材で、シールドケース、フレーム、接点の量産実績があります。

コイル状の金属条

加工能力

規格JIS H 3130(ばね用銅合金の板および条)
相当材UNS C77000、EN CuNi18Zn27、GB BZn18-26
量産実績C7701 1/2H、0.15 mmコイル材
主な部品シールドケース・フレーム、ばね接点、端子

C7701洋白とは

銅約55%、ニッケル約18%、残りが亜鉛の合金です。英語名は「nickel silver」ですが、銀は含みません。

ニッケルのおかげで銀白色の外観を保ち、変色しにくく、黄銅より強度があります。硬い調質でもばね性が落ちにくいのが特長です。中国ではGB BZn18-26として流通しており、材料証明書(ミルシート)で成分と機械的性質を確認できます。

JIS H 3130による主要元素のみ。最新の規格とミルシートでご確認ください。
元素代表範囲(%)
銅(Cu)54.0–58.0
ニッケル(Ni)16.5–19.5
亜鉛(Zn)残部

シールドケースにC7701が選ばれる理由

  • はんだ付け性:すずめっきなしでもはんだがよくなじみます。めっき工程と費用を省けます
  • 外観:変色しにくく、保管中やリフロー後も光沢を保ちます
  • 成形性:1/2Hなら、ケースやフレームの側壁、スナップ形状をきれいに曲げられます
  • シールド性:基板レベルの一般的なRFノイズ・デジタルノイズに有効です。低周波の磁界には鋼系材料のほうが効きます

調質別の機械的特性

JIS H 3130の調質の参考値です。規格値は板厚や規格の版で異なります。実際の値はミルシートに従います。
調質引張強さ(N/mm²)硬さ(HV)用途
1/2H約540–655約150–210曲げのあるシールドケース・フレーム
H約630–735約180–240曲げが中程度のばね接点
EH約705–805約210–260成形がゆるやかな板ばね

物理的特性

一般に公表されている代表値です。設計の概算にお使いください。
特性代表値
密度約8.7 g/cm³
縦弾性係数約125 GPa
導電率約5–6% IACS
磁性非磁性

ほかのシールド・接点材料との比較

一般的な比較です。量産実績のない材質は案件ごとに確認します。
材質はんだ付け性ばね特性コスト備考
C7701 洋白良好。めっき不要良好高めはんだ実装シールドの標準
SPCC+すずめっきめっきすれば良好低い低めめっきが必要。切断端面はめっきなし
SUS304難しい硬質調質で良好中程度強度が必要な薄いカバー、クリップ
りん青銅(C5191)良好非常に良好高めコネクタ接点で一般的

C7701部品の設計ルール

  • 調質を指定してください。90°曲げのあるケースやフレームは通常1/2Hです
  • 内側曲げ半径は1/2Hで約0.5~1 t以上。H、EHではさらに大きくします
  • はんだ付けフランジは平らに保ちます。コプラナリティがリフローの歩留まりを左右します
  • 吸着パッドと通気穴の位置を図面に記入してください
  • 接点部品は形状だけでなく、たわみ量に対する接触力をご指示ください
洋白製シールドケースのコプラナリティ測定

図面での指示例

  • 合金・調質・規格:「C7701R-1/2H(JIS H 3130)」「CuNi18Zn27, R540」など
  • 板厚と公差。0.15 mmのような薄い条は板厚のばらつきが効きやすくなります
  • めっきの種類と膜厚、または「めっきなし」
  • はんだ付け縁の平面度またはコプラナリティ
  • 接点の場合:たわみ量に対する接触力と繰返し回数

よくある質問

C7701洋白の中国規格・海外規格の相当材は?

中国はGB BZn18-26、米国はUNS C77000、欧州はCuNi18Zn27です。

C7701のシールドケースにすずめっきは必要ですか?

通常は不要です。素地のままでもはんだ付け性は良好です。工程上必要な場合は、協力会社でめっきを追加できます。

接点材料をりん青銅からC7701に替えられますか?

用途によっては可能です。C7701ははんだ付けしやすく光沢も保てますが、ばね特性と疲労特性は一般にりん青銅が上です。接触力、繰返し寿命、はんだ付けの有無で選んでください。

洋白に銀は含まれていますか?

含まれていません。銅・ニッケル・亜鉛の合金で、英語名「nickel silver」は銀白色の外観に由来します。

C7701はEU CBAMの対象ですか?

銅合金はCBAMの対象品目区分(鉄鋼、アルミニウム、セメント、肥料、水素、電力)に含まれていません。完成部品の分類は輸入者が判断します。

C7701の薄板はプレス加工しにくいですか?

難しくはありません。ただし0.15 mmの薄い条はバリを抑えるために型クリアランスの管理が厳しく、光沢面は傷が付きやすくなります。平面度とバリは初品と全ロットで検査します。

C7701のプレス加工は板厚何mmまで対応できますか?

プレスの対応範囲は0.15~1.2 mmで、C7701は0.15 mmの1/2H材で量産実績があります。

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