材質

SGCC ― 溶融亜鉛めっき鋼板の付着量と使い分け

SGCCはJIS G 3302の溶融亜鉛めっき鋼板で、EN DX51D+Z、ASTM A653 CSに相当します。亜鉛層が鋼を守るため、塗装なしでもキャビネット、パネル、内部ブラケットに使えます。プレス加工は板厚1.2 mmのコイル材で量産実績があり、板材からは筐体やキャビネットを製作します。

溶融亜鉛めっき鋼板の表面

加工能力

規格JIS G 3302
相当材EN DX51D+Z(EN 10346)、ASTM A653 CS、GB DX51D+Z
量産実績プレス用 1.2 mmコイル材、板金用 板材
めっきめっき付着量を指定(例:Z12、Z18、Z27)

SGCCとは

一般用の鋼帯を溶融亜鉛に通してめっきした鋼板です。亜鉛は膜として鋼を覆うだけでなく、犠牲防食の働きもあります。傷が付いても、周りの亜鉛が先に溶けて鋼を守ります。

そのため屋内では素地のまま使え、屋外キャビネットでは粉体塗装の下地としてよく使われます。成形が厳しい部品には同じ規格のSGCD以上を使いますが、ほとんどのブラケットやパネルはSGCCで足ります。中国ではDX51D+Zとして一般的に流通しています。

めっき付着量の記号 ― 必ず図面に書いてください

「SGCC」だけでは、亜鉛がどれだけ付いているかは決まりません。付着量が違えば、さびにくさも価格も変わります。めっき付着量記号を必ずご指定ください。

一般に公表されている代表値です。片面の厚さは、両面均等・亜鉛密度7.14 g/cm³として算出しています。最新の規格をご確認ください。
JIS記号両面合計の最小付着量(g/m²、3点平均)片面あたりの亜鉛厚さ(概算)ASTM A653の概略相当
Z0880約6 μmG30(概略)
Z12120約8 μmG40(概略)
Z18180約13 μmG60
Z27275約19 μmG90

注文時に決める表面の仕様

項目選択肢
スパングルレギュラースパングル、またはミニマイズドスパングル(塗装向き)
化成処理クロメートフリー化成処理、塗油、または無処理
後塗装化成処理が塗装の密着を妨げないよう、後塗装の有無をお知らせください

SGCCの設計・加工上の注意点

  • 切断端面や抜き穴は素地の鋼が出ます。周囲の亜鉛がある程度守りますが、高湿度や屋外では最初に赤さびが出る箇所です
  • 内側曲げ半径約1 tなら問題なく曲がります。極端にきつい曲げでは、外側の亜鉛層が割れたりはがれたりします
  • 溶接すると溶接部の亜鉛が焼け、ヒュームやブローホールが出ます。溶接はできるだけ避けるか、ジンクリッチ塗料での補修や塗装を前提にしてください
  • 粉体塗装する場合は前処理をご指定ください。工程は表面処理の協力会社が確認します。塗装品は戻り時に塗装範囲、膜厚、クロスカット(碁盤目)密着性を検査します
  • アース:亜鉛やクロメートフリー化成処理は、ほとんどの接地点で十分な導電性があります。ボンディング抵抗が重要な場合は、接触部のマスキングか仕様をご指示ください
加工中の亜鉛めっき鋼板パネル

代表特性

一般に公表されている代表値です。実際の値は材料証明書(ミルシート)に従います。
特性代表値
母材一般用の低炭素鋼
密度(鋼)約7.85 g/cm³
磁性あり
亜鉛層めっき付着量記号による

図面での指示例

  • 鋼種・付着量・規格:「SGCC Z12(JIS G 3302)」「DX51D+Z140(EN 10346)」など
  • 板厚と、亜鉛層を含む値か含まない値か
  • スパングルと化成処理
  • あとで粉体塗装するかどうか
  • 溶接箇所の有無と補修方法

キャビネット材:SGCC・SPCC・SUS304の比較

材質防食コスト主なキャビネット用途
SPCC+粉体塗装塗膜のみ低い屋内用の塗装キャビネット
SGCC(素地または粉体塗装)亜鉛層。塗装すれば塗膜も中程度内部パネル。塗装すれば屋外キャビネットにも
SUS304材料自体が耐食性を持つ高い水洗い、高湿度、露出した設置場所

よくある質問

SGCCの海外規格・中国規格の相当材は?

欧州・中国はDX51D+Z、米国はASTM A653 CSがほぼ相当します。どの規格でも、めっき付着量は別に指定が必要です(例:JISはZ12、ENはZ275)。

SGCCに塗装は必要ですか?

屋内なら多くの場合は不要です。屋外や高湿度環境では、SGCCに粉体塗装を重ねると、どちらか一方だけより長持ちします。

SGCCはレーザー溶接できますか?

できますが、溶接部で亜鉛が蒸発してスパッタやブローホールが出やすく、その部分のめっきも失われます。SGCCへの溶接は避けるか、補修を前提に計画することをおすすめします。

SGCCの切断面がさびるのはなぜですか?

レーザー切断や打抜きの端面は、素地の鋼がむき出しになるためです。周囲の亜鉛がしばらく守りますが、高湿度や屋外では端面から先にさびます。加工後に粉体塗装すれば端面も覆えます。

SGCCのプレス加工は板厚何mmまで対応できますか?

プレスの対応範囲は0.15~1.2 mmで、SGCCは1.2 mmのコイル材で量産実績があります。これより厚い板はレーザー切断と曲げで加工します。

図面をお送りください。1 営業日以内にお見積りします。

年間数量と、図面でいちばん厳しい公差を添えてください。金型費と単価を一度でご案内できます。