輸入ガイド

EU CBAM:鉄鋼・アルミ部品の輸入者が確認すべきこと

EU CBAM(Regulation (EU) 2023/956)は、CN 7318・7326・7616などの鉄鋼・アルミ製品が対象です。8538や8708は対象外です。本格適用は2026年1月1日から始まりました。2025年の改正で、対象品の輸入が年間50トン未満なら適用除外になります。輸入前に最新の規則をご確認ください。

輸出用に梱包された鋼板製筐体

CBAMの概要と適用時期

CBAM(炭素国境調整メカニズム)は、輸入品の製造時の排出量に炭素価格をかける制度です。EU域内の生産者は排出量取引制度で炭素コストを負担しています。輸入品にも同じ水準の負担を求めるのが目的で、Regulation (EU) 2023/956で導入されました。

2023年10月1日〜2025年12月31日は移行期間でした。輸入者は内包排出量を四半期ごとに報告するだけで、支払いはありませんでした。2026年1月1日からは本格適用です。基準を超えて対象品を輸入する場合、認定CBAM申告者の資格、年次申告、CBAM証書の購入と引渡しが必要になります。

自社の金属部品は対象か:CNコード別の早見表

対象かどうかは、規則の附属書Iに載っているCN(合同関税品目分類表)コードで決まります。鉄鋼は第72類の大部分と第73類の一部の項、アルミニウムは第76類の一部の項が載っています。

改正後のRegulation (EU) 2023/956 附属書Iに基づきます。附属書Iは変更されることがあるため、輸入前に最新の規則をご確認ください。
CN項代表的な部品CBAMの対象か
7318鋼製のねじ、ボルト、ナット、座金などの締結部品対象
7326その他の鉄鋼製品:ブラケット、カバー、筐体対象
7308鋼製構造物およびその部分品対象
7616その他のアルミニウム製品対象
7610アルミニウム製構造物およびその部分品対象
7320鉄鋼製のばね対象外(附属書Iに記載なし)
8538電気開閉装置・制御盤用の部分品対象外
8708自動車の部分品対象外
銅合金(第74類)洋白製シールド、銅製端子対象外

2025年の改正:年間50トン未満は適用除外

Regulation (EU) 2025/2083でCBAM規則が改正されました。小規模な輸入者にとって大きいのは、質量による適用除外です。鉄鋼、アルミニウム、セメント、肥料の対象品の輸入が暦年で合計50トン未満なら、CBAMの義務はかかりません。従来の「貨物ごとの少額免除」はこの基準に置き換わりました。

申告や証書の期限など、手続き面も見直されています。細部は追加の法令やガイダンスで順次定められているため、輸入前に欧州委員会のCBAMページか通関アドバイザーで最新の期限をご確認ください。

CBAMの義務は輸入者側にある

義務を負うのはEU側です。輸入者または間接通関代理人が認定CBAM申告者となり、申告と証書の引渡しを行います。EU域外の仕入先に申告義務はありません。ただし、仕入先から得られるデータによって、実排出量を使えるか、欧州委員会のデフォルト値を使うしかないかが変わります。

関税分類も輸入者の判断です。同じ部品でも、機能によって7326にも8538にもなり得ます。対象になるのはどちらか一方だけです。詳しくは筐体のHSコードのガイドをご覧ください。

中国の仕入先(Sierxi)にお願いできるデータ

鉄鋼・アルミニウムの前駆体排出量は、加工業者ではなく、主にコイル材を作った製鉄所・圧延メーカーで発生します。
データ項目輸入者が必要とする理由Sierxiが提供できるもの
部品ごと・出荷ごとの正味質量CBAMの数量はトン単位で申告するため可。自社の重量データとパッキングリストから
鋼またはアルミニウムの含有量組立品のうち、樹脂などを除いたCBAM対象金属を把握するため可。部品表から
材料の鋼種とミルシート前駆体(コイル材・板材)とその生産者を特定するため可。材料メーカーのミルシートから
生産ルート内包排出量は製造方法によって変わるため可:購入したコイル材・板材を、プレス加工、レーザー切断、曲げ、溶接で加工。表面処理は協力会社
施設情報生産拠点の名称、住所、所在地可:蘇州工場
排出量データ(直接、間接、前駆体)デフォルト値ではなく実排出量を使うためデータ提供のご依頼には協力します。現時点で検証済みの排出量データは保有していません

EU輸入者がやるべきこと(5ステップ)

  • 輸入する部品のCNコードを一覧にし、通関アドバイザーと分類を確認する。
  • 全仕入先分の対象品を年間トン数で合計し、50トンを超えるか確認する。
  • 超える場合は、輸入前に認定CBAM申告者の資格を申請する。
  • 各仕入先に正味質量、金属含有量、材料の原産地、施設データを依頼し、デフォルト値で申告するか実データを求めるかを決める。
  • 申告の根拠にしたデータと前提条件を記録して保管する。

よくある質問

板金筐体はCBAMの対象になりますか?

CN 7326(鋼)または7616(アルミニウム)に分類されれば対象です。8538(開閉装置用部分品)に分類されれば対象外です。分類は部品の機能で決まり、輸入者が判断します。

鋼製のばねはCBAMの対象ですか?

現時点では対象外です。第7320項(鉄鋼製のばね)はRegulation (EU) 2023/956の附属書Iに載っていません。対象範囲が広がる可能性があるため、輸入前に最新の附属書をご確認ください。

輸入量が少なくてもCBAMの手続きは必要ですか?

対象品の輸入が暦年で50トン未満なら、2025年の改正により適用除外です。基準の計算方法は最新の規則でご確認ください。

中国の仕入先から検証済みの排出量データはもらえますか?

Sierxiは現時点で検証済みの排出量データを保有していません。重量、材料含有量、生産ルート、施設情報の提供には協力します。そのため、デフォルト値での申告が必要になる場合があります。

このページの内容は法的助言ですか?

いいえ。輸入者向けの概要です。CBAMの規則と実施法令は現在も変わり続けています。輸入前に最新の規則を確認し、通関アドバイザーにご相談ください。

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