板金加工

ステンレス・鋼板部品のレーザー溶接

レーザー溶接で、ステンレス鋼と炭素鋼の板金部品・プレス部品を接合します。入熱が小さくビードが細いため、薄い筐体、フレーム、ブラケットも平面を保ちやすく、TIG溶接より研削の手間が減ります。溶接する部品は社内でレーザー切断(最大1500 × 3000 mm)・曲げを行い、合わせ精度を管理します。

金属部品を加工するレーザーヘッド

加工能力

設備ファイバーレーザー溶接機(蘇州天弘 TH-RF300/TH-RFS350)
溶接材質ステンレス鋼(SUS304)、炭素鋼(SPCC)
継手形状突合せ、重ね、角、へり、断続溶接
主な加工筐体の角部、フレーム、ブラケット、プレス部品とフレームの接合
溶接後処理研削は社内。ヘアライン、不動態化処理、塗装は協力会社にて

レーザー溶接が向いている部品

集光したビームで継手の端部だけを溶かすため、TIG溶接やMIG溶接よりビードが細く、熱影響部も小さく、ひずみが少なく済みます。平面度や外観が問われる薄板の板金部品に向いています。

主な用途は、筐体の角部や継ぎ目、溶接フレーム、成形部品同士をつなぐブラケットです。プレス部品をフレームやブラケットに溶接し、1つの組立品として出荷することもできます。

レーザー溶接・TIG溶接・スポット溶接の比較

一般的な比較です。最適な工法は継手設計と板厚で決まります。
レーザー溶接TIG溶接抵抗スポット溶接
入熱小さく集中大きく広い各打点に局所的
薄板のひずみ小さい大きい。ひずみ取りが必要な場合が多い小さい
ビード外観細く、研削が少ないビード幅が広く、仕上げ作業が多い両面に打痕が残る
連続した密閉ビード可可不可
継手の合わせ精度高い精度が必要すき間に比較的寛容重ね継手のみ

レーザー溶接の継手設計ポイント

レーザー溶接の品質は、溶接前の部品精度で決まります。溶接する部品は社内でレーザー切断・NC曲げしているので、合わせ精度まで管理できます。設計時は次の点を目安にしてください。

  • 突合せ継手のすき間は小さく。板厚の約10%以下が目安です。
  • 合わせ精度に最も寛容なのは重ね継手です。連続ビードが不要なら、断続溶接の長さとピッチをご指示ください。
  • 筐体の角部は、曲げタブ付きの閉じ角か精度の良い留め継ぎにし、溶かす材料を確保します。
  • 溶接部は、きつい曲げ部や位置精度が必要な穴から離します。
  • 各溶接が強度用・シール用・外観用のどれか、平滑仕上げが必要かを明記してください。
  • 亜鉛めっき面の溶接はできるだけ避けてください。SGCCの亜鉛が蒸発してブローホールの原因になります。素地の鋼板を溶接して後から塗装するなど、方法はご相談ください。

レーザー溶接に対応する材質

材質溶接性備考
SUS304 ステンレス鋼非常に良好最も多い加工。焼け色は研磨または酸洗で除去
SPCC 冷間圧延鋼板非常に良好素地で溶接後、協力会社でめっきまたは粉体塗装
SGCC 溶融亜鉛めっき鋼板注意すれば可能亜鉛によりスパッタやブローホールが発生。溶接部のめっきは失われる
A5052 アルミニウム案件ごとに確認反射率が高くブローホールが出やすい。設計前にご相談ください

溶接部の検査

溶接部品は全数、アンダーカット、ブローホール、割れ、溶け落ちを目視で確認します。ひずみは溶接後に出るため、寸法は溶接後に測ります。初品はサイズに応じて、画像測定機、またはハイトゲージと治具で測定します。

図面で品質レベルを指定する場合、鋼のレーザービーム溶接はISO 13919-1のレベルB・C・Dが使えます。溶込みや強度の試験が必要な場合は、試験方法をお見積り依頼時にご指示ください。実施方法はお見積りで確認します。

レーザー溶接後の溶接組立品の測定

お見積りに必要な情報

  • 溶接記号入りの組立図、または溶接箇所を書き込んだPDF
  • 各部品のSTEPデータ
  • 各部品の材質と板厚
  • 溶接後の仕上げ(平滑研削、ヘアライン、塗装)
  • 溶接後も守るべき平面度・位置公差
  • 1回あたりの数量と年間数量

よくある質問

レーザー溶接だけの依頼(支給部品の溶接)はできますか?

個別に検討します。通常は、切断・曲げ・プレスも当社で行う部品を溶接しています。部品を自社で作るほうが合わせ精度を管理できるためです。

プレス部品を板金フレームにレーザー溶接できますか?

はい。プレスブラケットや接点をフレームに溶接し、組立品として1つの品番で出荷できます。

アルミや銅のレーザー溶接はできますか?

通常扱っているのはステンレスと炭素鋼です。アルミは案件ごとに確認します。銅のレーザー溶接は行っていません。

レーザー溶接の強度はTIG溶接と比べてどうですか?

継手が適切に設計され完全溶込みであれば、母材と同等の強度が得られます。ただし強度は継手設計と溶込みで決まるため、強度要求は図面にご記載ください。

サンプル費用と納期はどのくらいですか?

案件ごとにお見積りでご確認ください。

図面をお送りください。1 営業日以内にお見積りします。

年間数量と、図面でいちばん厳しい公差を添えてください。金型費と単価を一度でご案内できます。