精密プレス

深絞り加工:カップ・ケース・シェル・小型ハウジング

深絞り加工で、継ぎ目のないカップ、ケース、シェル、小型ハウジングを製作します。材質は鋼板、ステンレス、アルミ、銅合金。60〜250 Tのプレス機で加工し、重要部位は±0.02 mmで管理します。最小ロットは1,000個です。絞り深さと径の限界は、お見積り時に図面ごとに確認します。

並んだ深絞りの金属缶

加工能力

部品の種類カップ、缶、シェル、キャップ、小型ハウジング、スリーブ
材質SPCC/SPCD/SPCE、SUS304、A5052、銅合金
プレス機13台、60–250 T
金型順送(ストリップ)金型または工程型。協力金型メーカーが製作
公差重要部位 ±0.02 mm
サイズの限界図面ごとに確認
最小ロット1,000個

深絞り加工が向いている部品

深絞り加工は、平らなブランクをパンチでダイに押し込み、継ぎ目のない中空部品を作る加工です。材料はフランジから側壁へ流れ込むため、溶接も継ぎ目もありません。一般に深さが径を超えるものを深絞りと呼びますが、浅いシェルも同じ考え方で金型を作ります。

溶接や曲げの箱では漏れる、見た目が悪い、量産コストが合わない。そんな部品に向いています。センサーやモーターのハウジング、電池・コンデンサーのケース、シールドケース、キャップ、スリーブなどです。

絞り工程数の目安

1回の絞りで縮められる径には限界があり、超えると側壁が破断します。絞り性の良い鋼板の場合、初絞りの限界絞り比(ブランク径 ÷ パンチ径)は一般に約1.8〜2.0です。再絞りは1工程あたり径の20〜30%程度の縮小が目安で、中間焼鈍なしではさらに小さくなります。実際の値は材質、板厚、潤滑、型の半径で決まります。

設計の概算用に一般に公表されている目安です。工程数と限界は図面ごとに確認します。
工程代表的な限界(目安)備考
初絞り絞り比 約1.8~2.0(鋼板)。ステンレスや硬い調質では低めカップの径を決める
再絞り1工程あたり径の縮小 約20~30%工程ごとに加工硬化する
しごき加工側壁を薄く均一にする均一な肉厚と厳しい径公差のため
トリミング不均一な縁(耳)を除去深い部品では必ず必要

深絞り部品の設計ルール(割れ・コスト増を防ぐ)

t は板厚です。

  • パンチ(底部)の角Rは約4 t以上、ダイ(フランジ)のRは約4〜8 tに。Rが小さすぎるのが割れの一番の原因です。
  • 底部の角付近は板厚が減り(一般に10〜20%)、縁はわずかに厚くなります。最小肉厚は、本当に必要な箇所だけ図面に指示してください。
  • 角形・矩形シェルは鋭い内角を避け、設計が許す範囲で大きな角Rを取ってください。
  • フランジは平らでトリミングできる幅を確保するか、縁でトリミングするフランジなしの形にします。
  • わずかな抜き勾配を付けるか、管理する径(内径か外径)を指定してください。しごき加工なしで両方を厳しく管理することはできません。
  • 位置精度が必要な穴や長穴は、絞りの後に底部や側壁へ加工します。
  • 縁の機能(シール、かしめ、圧入)を教えてください。ピンチトリムか別工程のトリミングかを選びます。

絞り加工に適した材質

一般的な目安です。材質と調質は案件ごとに確認します。
材質絞り性備考
SPCD/SPCE(EN DC03/DC04)非常に良好絞り用冷間圧延鋼板。深い鋼製部品の第一選択
SPCC(EN DC01)普通浅い絞り向け。深い部品では割れることがある
SUS304 ステンレス鋼注意すれば良好加工硬化が早い。深い部品では絞り工程間の中間焼鈍が必要な場合がある
A5052-O アルミニウム良好深い部品にはO材を使用。硬い調質は割れる
黄銅・銅合金非常に良好キャップ、スリーブ、接点で一般的

順送絞りとトランスファー絞りの選び方

図面と年間数量に合わせて工法をご提案します。
順送(ストリップ)絞りトランスファー/工程型絞り
方式部品がキャリアに付いたまま全絞り工程を通過ブランクを切り離し、工程間または金型間で搬送
適した部品小型部品、大量生産より大きい部品、より深い部品
材料歩留まりキャリア分のスクラップが増える1個あたりのスクラップが少ない
金型費複雑な金型1型複数の金型またはトランスファー装置

耳・トリミングと寸法検査

圧延板は方向によって性質が違うため、絞ったカップの縁には「耳」と呼ばれる波が出ます。そこで深い部品は高さに余裕を持たせて絞り、最終寸法にトリミングします。面内異方性の小さい材料を選ぶと、耳とトリミングのスクラップが減ります。

初品は、画像測定機、ハイトゲージ、マイクロメーターで、径、高さ、取り決めた断面の肉厚を測ります。量産ロットはAQL抜取検査で確認し、出荷ごとに寸法成績書を添付できます。

画像測定機で深絞り部品を測定

よくある質問

深絞りはどのくらいの深さまでできますか?

径、材質、板厚、工程数で変わります。深さと径の限界は、お見積り時に図面ごとに確認します。

ステンレス(SUS304)の深絞りはできますか?

できます。SUS304は絞り性は良いものの加工硬化が早いため、深い部品では工程数を増やすか、中間焼鈍が必要になることがあります。工法は図面ごとに確認します。

深絞り部品の最小ロットは?

1,000個です。深絞り金型は投資額が大きいため、年間数量が多い部品ほどメリットが出ます。

深絞り金型の所有権はどちらにありますか?

金型費のお支払い後はお客様の所有です。製作は協力金型メーカーが行い、リピート注文に備えて当社工場で保管します。

深絞りのサンプル費用と納期は?

金型費、サンプル費用、納期は案件ごとにお見積りで確認します。

図面をお送りください。1 営業日以内にお見積りします。

年間数量と、図面でいちばん厳しい公差を添えてください。金型費と単価を一度でご案内できます。